吃音症の診断基準、貴方はわかりますか?
僕は自分自身、言葉が出にくいことがあったり会話に不自由することを吃音という病気のせいだということを数年前まで知りませんでした。
そのくらい吃音症は、まだまだ世の中に知られていません。
更に吃音でない人からしたら、その人が会話に苦労していることに気づいても、吃音症なのか?ただ単に人と話すのが苦手な人なのか?すぐにはわからないと思います。
そこで、今回は吃音症の診断基準について、ご紹介します。
目次
吃音症の診断基準
吃音症の診断基準について、ある心の病気を治療するクリニックのホームページでは次の様に定義されていました。
会話の正常な流暢性と時間的構成における困難、その人の年齢や言語技能に不相応で、長期間にわたって続き、以下の1つ(またはそれ以上)のことがしばしば明らかに起こることによって特徴づけられる。
ホームページには例も挙げられていましたが、少々専門的な用語が多く直感的に理解し難い印象を受けましたので吃音の僕なりの解釈で説明させて頂きます。
単語の繰り返し
「僕、僕、僕は、〇〇〇」といった具合に、一回で伝わることはわかっていても自分の意識とは異なり同じ単語を繰り返してしまう症状があります。
決して、焦って喋ろうとしているわけではないんです。
無意識に、このような喋り方になってしまうことがあります。
音が伸びる
「ぼーーくは、〇〇〇」といったように、単語を発する途中で言葉が伸びてしまうことがあります。
ふざけている訳でも、やる気がなくダラダラしている訳ではりません。
上手く言葉が出せずに単語の途中で伸びてしまうことがあります。
第一声や会話の途中で停止してしまう
例えば、「○○さん自己紹介をお願いします」などと話すように促されたときに第一声がなかなか出ない。
または、「僕は、、、、、」というように話そうとしている最中に次の言葉がいきなりでなくなってしまうことがあります。
この時、話す内容が飛んでしまった訳ではないんです。
本当は話したい内容が、頭には浮かんでいて喉の所まで出てきているのに口から音に出して発することが急にできなくなってしまうことが、吃音の僕たちにはあります。
不自然な言い回しや倒置法
例えば「僕は、○○〇」と言いたい時に、第一声の「僕は」が言えないと思ったら吃音が出ないように「自分は」と、別の言葉で言い換えることがあります。
軍人やバリバリの体育会系でもないのに、いきなり「自分は、○○〇であります」みたない話し方をしたら不自然な言い回しをしたら吃音ではない人は違和感を感じることでしょう。
それでも、吃音に悩む僕たちにとっては、言葉が出なくて相手を待たせてしまうよりは良いだろうと思って行う工夫なんです。
他には、「○○〇です、僕は」というように主語と述語の順番を入れ替えて、発生しやすい単語から言う工夫をすることがあります。
それも、気取ったりカッコつけた言い方をしたいわけではありません。
文法的に違和感があっても聞かれたことに答えを返したり、相手に伝えたいことを最低限は伝えられるようにするための努力として不自然な言い回しや倒置法のような話し方をすることがあるのです。
過剰な身体的な緊張
吃音で発生し辛い状況でも、何とかして声を出そうとしたときに、顔や体にグッと力が入るような過剰な身体的な緊張が出ることがあります。
人それぞれ特徴がありますが、僕の場合は手を動かしながら話したり、机の下で気付かれないようにトンと足踏みをして第一声を絞り出す。
中には、グッと手を強く握って声を絞り出したり、机をトントン叩きながら話すことでリズムを付けて声を出しやすくする人もいます。
吃音症の診断の難しさ
本職の医師ならまだしも、吃音のない人からしたら話し方に違和感を感じた相手が吃音なのかどうか診断や判断をすることは難しいことがあります。
それは、先ほどお伝えしたように吃音に悩む人は、何とかしてコミュニケーションに支障が出ないように、あるいは相手に不快な思いをさせないように吃音がなるべく出ないように工夫をしながら会話をするからです。
年齢を重ねれば重ねるほど、それらの吃音を隠すテクニックを身に付けていきます。
それが、吃音症の診断の難しさです。
僕は、吃音を必要以上に隠そうとはせずに、口下手で言葉に詰まったり時々変な喋り方になってしまうことを、自他ともに認めるキャラとして確立しています。
ですが、ほとんどの人は吃音であることを打ち明けられずに悩んでいると思いますので、身近に吃音かもしれない人がいたら次のような点に注意して接してくれたら嬉しいです。
この点に注意して接しましょう
吃音の人との接し方や、どのような人が吃音か知ってもらうためにお時間のある方は次の動画からご覧ください。
この動画では、単語を繰り返してしまう人や、言葉が伸びてしまう人、テーブルを叩きながらリズムを取って話す人など何通りかの吃音の症状が紹介されています。
吃音とはどのような症状か、イメージしやすかったのではないでしょうか?
吃音の人との接し方としては、動画の6分過ぎくらいの母親の言葉と、7分過ぎのアナウンサーのコメントがとても参考になります。
・急かさない
・腫れ物に触るような態度を取らず、自然な態度で聞く
・相手の話を遮ったり、代弁しない
この点に注意して接しましょう。
ついつい、喋りづらそうにしていると気を利かせて相手が言おうとしていることを代弁して「○○ということが言いたいんだよね?」と言ってしまいそうになると思います。
ですが、善意でそのように代弁してくれたとしても自分の吃音で余計な気を使わせてしまったと、かえって気にしてしまう場合もあるのです。
ですから、相手が吃音だからと言って必要以上に気を遣う必要はありません。
出来るだけ自然な態度で、吃音が出たとしても最後まで聞くよといったようなスタンスでいてもらえたら、吃音で悩んでいた時期の僕はとても嬉しかったです。
まとめ
吃音症の診断基準は、流暢に話せないことが長期間続くことと定義されていますが症状は人それぞれ。
更に、年齢を重ねるとともに吃音が目立たないようにする工夫をするようになるため、吃音のない人からすると少々わかり辛いのが特徴です。
しかし、吃音だと思われる人がいても過度に気を遣う必要はありません。
出来るだけ自然な態度で、吃音が出たとしても最後まで聞くといった姿勢でいてくれるだけで、吃音で悩むことは救われた気持ちになるのです。
ビジネススキルや吃音に関する情報は、最低1回朝8時には更新していますので今回の記事が参考になったという方はまた、是非ご覧になってください。